TOMORROW 明日
(C)1988 ライトヴィジョン・創映新社・沢井プロダクション
1945年8月8日の長崎で、一組の結婚式が行われようとしていた。花嫁は看護婦のヤエ、花婿は工員の中川庄治。戦時下ゆえ、つつましやかに取り行われた。写真を撮り終えたところで姉のツル子が陣痛を訴えた。産婆がやってきて、「産まれるのは夜になるだろう」と言った。母・ツイは小豆をお手玉から取り出して煮て食べさせてやった。
ヤエの妹・昭子は恋人の長崎医大生・英雄と会っていた。英雄は赤紙が来たことを告げ、駆けおちをすすめたが、昭子は「それでも男ね」と突っ撥ねた。
石原継夫の勤務する俘虜収容所でイギリス兵が病死した。継夫は俘虜といえ見殺しにした軍に悟りを感じていた。
誰もが明日に向かって精いっぱい生きていた。8月9日の朝、いつもと少しも変わりはなかったが、午前11時2分、長崎に原子爆弾が投下された。